サンタリーニャの岩場で : Pic Of The Day :
2016年1月3日
スペインの岩場でも、7a+とか7cくらいのそのエリアの看板ルートは大人気
まずは7a+を目標にして取組んでいる人もいれば、中級者にはちょっと緊張感のある刺激的なルートが多い。高難度を登る上級者にはちょうど良いウォームアップだ。
けれども中にはびっくりするようなトンデモムーブが出てくるルートもあったりして、その日はそのトンデモ部分でテンションが入ってしまった。
なんだかリズムが崩れるな…。
なんて思いながら、パートナーのトライを挟んですぐにトライしようと、ヌンチャクをままにしてその場をしばし離れる。思いのほかパートナーのトライはすんなりいって30分も掛からずに戻ってきた。すると掛けてあったヌンチャクが…綺麗になくなっている?
取り付きにはスペイン人の2人組みがいるものだから、彼らに聞いてみると、そのうちのひとりがスペイン人らしい愛嬌のある笑顔でこう言うものだ。
「回収しておいたよ!君のだったんだね!」
僕のヌンチャクは彼のザックの奥のほうから出てきてくれた。彼のヌンチャクと同じラッキングをされて。こういうときはちょっと面食らっても、こっちもありったけの笑顔で、ありがとう!だ。
そんな訳で、僕の2トライめはさっきと同じところでテンションしてしまって、日本語でおおきく悪態をついたものだ。
2015年12月31日
大晦日です ナカガイクライミングジム全店舗、昨日が今年最後の営業日、今日・明日とお休みで、年明けは2日から短縮営業【12:00~20:00】です
さて本当に個人的な意見ですが、摂津の壁は美しい。
5年以上は全面的なホールド替えをやっていない!んですが、この先もやってほしくないな、と。12-を登れるかのところから、14+を登れるところまでトレーニングを構築してきて、ここにはそのレベルまで人を育てる内容があるのは証明されている!あとはそれを引き出すことができるかどうかが求められています。
ここで登るということは各々の限界を引き出す!ということ。才能ってなに?
ぼくに求められるのは、その限界が14+なのかそれ以上なのか?
よいお年を!
2015年12月25日
8月から始まったロデジャー&アルクエサーの日程も終りにさしかかって、そろそろ移動しなきゃなと考えていた夕暮れ時、滞在しているキャンプ場の反対側がなんだか騒がしい。「収穫祭はもうおわったはずだけど…?」なんて聞き耳を立てていると、どうやら毎度の夜通しのお祭りとは雰囲気が違っている。
気になって覗きにいってみると、昨日まで何もなかった空き地に人工壁ができている!
壁にはスタートホールド&スタンスだろうガバと、真上にむかって等間隔にガバが並ぶ…。
「これは…。」
なんて思っていると、おじいちゃんMCが「エントリーはここに名前を書くんだ。」とそのMCはノバトじいちゃんだ!ふと目をやるとダニ=アンダラーダに当然エデュもいる!こうなったら流れにノらないわけがない。名前を記帳して急いでシューズとチョークバッグを取りにもどって、自分の名前が呼ばれるのを待った。
僕はコーラを飲みながら、みんなはビールを飲みながら、それぞれの名前がノバトじいちゃんに呼ばれると、目標のホールドまでドーン!と跳んでブラ~ンとぶら下がる。目標のホールドがひとつずつ遠くなるごとに、一人また一人と、目標を損ねて脱落していく。
何度か回を重ねて40人程いた参加者も僕を含めて8人まで削られた!
ここまで残れただけで僕のレンジはもう限界だ。次の目標はあの緑のホールド、もう普通にやってたら届くわけがない…。自分の番がきて名前が呼ばれる、スタートホールドに手をかけ、スタンスを片方だけスタートホールドにセットして当をつけて、手に足ランジで飛び出した!
身体はホールドに向かわずに、壁から引き離されて遥か後方へ…。
普段やらないようなムーブが百々の詰まりで咄嗟にできるはずもない。
それでもノバトじいちゃんは僕の名前をカタコトで呼んで「ヤマダサン、ムイビエ~ン!」と言ってくれる。
会場は「チナ!チナ!」と中国人とカン違いしている様だ。日本人だ。
さらには早々に脱落した、僕と同じくらいの身長の少年が寄ってきて、「おまえ、よくやったな。ウェルダンだぜ。」と。
少年よ、なぜ君のもの言いは、上からなんだ?
2015年11月23日
2015年、今年の90日間のスペインツアー、観光ビザいっぱい使いきって帰国しました。結局、最後一ヶ月間いたカタルーニャでは満足のいくクライミングにもっていけなかった。計画・判断・登りこみ、今回のツアーは反省に溢れていて、翻って、情けなくて、悔しい。
数字だけで見ても、8c+が3本登れたとしか言えないツアーになった。いつもならそれなりに結果を出せて、根拠のない自信に満ちて終わるツアーが、今回は目立ったパフォーマンスの高揚も感じることが出来ずに不完全燃焼に終わった。”終わった”というより、このままでは終われないまま、今ここでこの文章を書いていて、日本に帰っていながらツアーが続いている感覚でいる。
このまま日本にいながら気持ちの中でツアーを続けながら、今回の反省を次のツアーに繋げて、しっかりとした地固めをしてからパフォーマンスを引き出すサイクルを具現化したい。
2015年10月24日
最後の最後はなんでか晴れた、雨のバスクカントリーから夜中ぶっ通しドライブで辿りついたはここ、乾燥とベストコンディションの大地シウラナ!なぜか移動してきた三日間くらいは雨模様で、岩場で会ったドイツのマリオみたいなおじさんが「お前が来た今日がここ2か月で最悪のコンディションだ!俺は残り4日しかない!」などとおっしゃる。ほどなく天気回復して、すごくいいコンディション!思ったら今度は「今日がここ2か月で最高のコンディションだ!」となったわ、自分のプロジェクト登れたわ、で、ニコニコして故郷フランケンユーラに帰っていかれました。
で、私の目下のプロジェクトはこちらのエスタド・クリティコ!なんせ岩でかいので80メートルロープでおりてくるのいっぱい。内容はカレア・ボロカという8b+の途中から分岐していきなりの激しめ遠めのボルダーパート!で、まだここクリアできてないけどレスト明けのボディ超回復に期待しつつ、とりあえず全体の負荷を掴んで、2クールで片を付けないと明日がないぜ!埒があかないぜ!日本は岩場グッドコンディションですか?こちらもグッドコンディションです!頑張りましょう!