スペインの岩場でも、7a+とか7cくらいのそのエリアの看板ルートは大人気
まずは7a+を目標にして取組んでいる人もいれば、中級者にはちょっと緊張感のある刺激的なルートが多い。高難度を登る上級者にはちょうど良いウォームアップだ。
けれども中にはびっくりするようなトンデモムーブが出てくるルートもあったりして、その日はそのトンデモ部分でテンションが入ってしまった。
なんだかリズムが崩れるな…。
なんて思いながら、パートナーのトライを挟んですぐにトライしようと、ヌンチャクをままにしてその場をしばし離れる。思いのほかパートナーのトライはすんなりいって30分も掛からずに戻ってきた。すると掛けてあったヌンチャクが…綺麗になくなっている?
取り付きにはスペイン人の2人組みがいるものだから、彼らに聞いてみると、そのうちのひとりがスペイン人らしい愛嬌のある笑顔でこう言うものだ。
「回収しておいたよ!君のだったんだね!」
僕のヌンチャクは彼のザックの奥のほうから出てきてくれた。彼のヌンチャクと同じラッキングをされて。こういうときはちょっと面食らっても、こっちもありったけの笑顔で、ありがとう!だ。
そんな訳で、僕の2トライめはさっきと同じところでテンションしてしまって、日本語でおおきく悪態をついたものだ。