今年の9月2日に始まったスペイン&フランスツアーから12月4日に戻りました。
帰国から何日か経って何か纏めようと考えるのですが上手く文章に出来ません。思ったままを兎に角書いてみます。
最初にスペインのロデジャーからツアーは始まったのですが、正直なところ、2回目のツアーだというのに何故か上手く調子を上げていけませんでした。ここでの目標としていた3本の8cの内、1本しか登ることができず「このままではロデジャーでの1か月間が要領を得ないまま終わってしまう。」と思い、移動の3日前に慌てて気持ちをレッドポイントからシフトしてトポ上では8bとなっている2本をオンサイトすることが出来ました。しかしこの2本も体感では、1本は易しめの8a+、もう一本も8a+/bに感じ、自分の納得のできる登りは出来ないままフランスに移動になりました。
フランスはゴルジュ・デ・ルーではロデジャーの巻き返しを!と思い息巻いて臨みましたが、8aのオンサイトすら容易くは無いフランスの洗礼を受け、ここでは息巻く気持ちを落ち着け、冷静に1本ずつ確実に落としていく事にしました。それでも全く歯が立たない8cがあったり、15回以上トライして登りきれなかった8bがあったりと、非常に手痛い洗礼でした。辛うじて8cのRPと8a+のOSはキープしましたが、「ツアーで来てフランスで登れるヤツは本物だ。」と思わせるほどにフランスの岩場は厳しいものでした。
最後に訪れたサンタ・リーニャは幸運でした。フランスでコテンパンにやられたお陰か、そこで培ったRP感が役立ったのか、自分に適していた長めの持久系ルートを着実に落とすことができ、いつの間にか9aに挑戦できるようになっていました。しかし岩の染み出しと天候の不順が、簡単には登らせてくれませんでした。ムーブは完璧に出来上がっているのに、1箇所、2箇所の染み出しの為だけに何度も何度も落とされ続けました。状態の回復を待つ間に他のルートをトライすることも考えましたが、刻一刻と迫る帰国日を前に「もう、これを登るしかない。」と決めた2日後。クライミング日程最終日の前日に、季節が秋から冬へと変わり、岩の状態が劇的に良くなりました。こうなるともう何も難しい箇所はなく、余裕をもって完登するに至りました。素直にうれしかった。
空知の時もそうでしたが”9″を冠するルートのトライには何かしらの苦痛が伴う。僕の場合は天候がいつも絡んできて、問題がこの天候にあるのか自分の未熟さにあるのかを不明瞭にして、100万回トライの迷路に連れ込んでしまう。”9″という餌を前にしてRPへの冷静な判断力を失ってしまう。
今回のツアーで感じたのは、それでも追い詰められたら結構できるという事と、そこまで追い詰められてしまう弱さと未熟さです。
ツアーのひとつの目標だった8b+のオンサイトには遠く及びませんでしたが、もうひとつの目標である8c+のRPは、9aのRPという形で目標以上の結果を上げることが出来ました。
本当に感謝しています。
(※ツアーの集計は後日、プロフィールページに纏めます。)